店舗持ちをやめたスコーン専門店・東京スコーン店長の日々雑記
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ふたりの笑顔に

週1出店をしていた分館でのこと。

ふたりの接点は、自分の目から見たら、なかった。

別の時間軸にうちのお客さんとしてスコーンを買ってくれたり、食べてくれたり。
そんなふたりが、分館で開催したパーティーで出会った。

別の人からその後、ふたりがカップルになったということを聞いた。

いいじゃない。うれしいじゃない。

縁結びのお店だね、ここは。

そんな話をしていたら(ってことは週1で出店してました、そのとき)、その片っ方がお店に入ってきてスコーンランチを注文し、
「あ、あとひとりきまーす」と、話していた「もう片っ方」がやってきて、楽しく窓際で会話して、すっかりカフェな雰囲気で。

出店が何度か遅れてしまって、ランチを食べてもらう機会を逃してしまったこともあったかもしれないけれど、そんな姿を何度も見ることができた。それが励みになって、一時期シャキッと出店してた気がする。

そのふたりは自分の担当日だけじゃなくて、他の曜日も訪れてくれた。だからふたりが楽しく窓際で話す姿は、たくさんの店長が見ている。

自分の週1の出店は終了して、ふたりの消息はおろか、分館を行きかう人達との接点も薄れてきたころ、「入籍した」というハナシを商店街の路上でばったり会った本人から聞かされて、うれしくなった。

籍を入れるまでの数か月、ふたりには特に大事な時間が流れていたような気がする。そんな中に、うちのスコーンがあって、彩りを加えることができたのかな、と思うと、たまらなくうれしい。その人達が何年も先になって、入籍したころをふりかえるとき、もしかしたら、自分のスコーンがネタとして出てくるかもしれない訳ですよ。そんな月日がたった未来に、東京スコーンはなくなってると思うけれど、ふたりの記憶にはもしかしたら、残っててくれるのかなって思うと、すごいことだなあって。栄誉だよね。

勝手に喜んでます。

そんなふたりが昨夜、縁をつないだ分館で結婚パーティー(要は披露宴)を開いてくれた。

もちろん勝手にスコーンを焼いて、来てくれた人たちに勝手にふるまった(笑)。

予想以上に大盛況。
でも、この盛況ぶりは、わかるような気がする。

ふたりをつないだ縁。その場所。
ふたりにとって「大事なところ」になった分館で、ふたりの記憶に残ることをさらにやってくれる、その心意気。ふたりとなんとなく接点のあった分館のほかの常連さんたちもかけつけて、食べて、飲んで、写真撮ってワイガヤして。

そんな瞬間にいることができて、シアワセでした。

またってことで、婚活パーティーじみたことも同時進行。自分もつかまり、参加しましたが、めでたく(?)誰からもコールはかかりませんでした(笑)。誰か選べって言われてもねえ。角が立つでしょ。選べません、といい子ちゃんになりましたわ。
君たちがひそかに自分のことを噂してるのは、わかってる。
こんな結果だ、満足だろ(−_−)。

モノつくりにとって、
誰かの大事なモーメントに、
自分の作ったものが
少しでも貢献できることほどうれしいことは、ない。

飲食をやる者にとって、
自分が作る世界が、
誰かの笑顔を創る場につながったことほど
栄誉なことは、ない。

ある超有名なカフェの代表に言われた。

自己表現じゃ、稼げない。

自己表現を貫いた末に得られた今日の喜びは、稼ぐためだけに飲食を毎日やっていたら、、たぶんなかったような気がする。
内側はたいへんだけど、その反動がいろんな人に笑顔になってもらえるピースを提供できているとしたら、そっと胸を張れると思う。

そんなことを思った。
そんなことを、思えた。

こういう飲食って、いいんじゃない?
こういうモノつくりって、いいんじゃない?