店舗持ちをやめたスコーン専門店・東京スコーン店長の日々雑記
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東京スコーンのビジョン(2010/6/6)

東京スコーンのビジョン、
いろいろ考えたんですが、やめました。
当たり障りのない、しかし共感を得てもらういい子ちゃんな文章を、いくつもいくつも考えました。しかし、イヤだ。なんでうそついてまでいい子ちゃんしなきゃならんのじゃ。

スコーンなんて、素人です。わけわかりません。生涯で数回食ったくらいです。その理由はぼそぼそしてまずいから。でも、鎌倉ですごくおいしいスコーンに出会ってから、おいしいスコーンって、もしかしたら他にたくさんあるのかな、とスコーンめぐりの旅を始めました。

しかし、ない。
本当に、ない。
100種類は食った。でも、ない。
なさすぎる。

売られているものなのに、テキトーに作られてるものも、たくさんあった。プロだろ、ちゃんと作れよ。そんな思いが失望に変わり、そして自分で「作ってみようか」になった。

おいしいスコーンが食べたい。人に頼ってみても、だめだった。
だから自分で作った。

身内から「おいしい!」と声が返ってきた。
だからなじみの店に持っていってみた。そこでも「おいしい!」って言われた。

研究をひと段落させて、自分で作ったスコーンを、これから自宅で楽しもうと思った。まずいスコーンを買って嫌な思いをするよりも、自分で作ったほうがリーズナブルだし。

あるお店が、一日店長制度で店長を募集していた。扱う品は何でもヨシ。半分冗談でマスターに「スコーンを出したらどうだろう?」と聞いてみた。「へえ、おもしろいですねえ」。「じゃあ、やってみようかな」。東京スコーンは、そこから始まった。

東京スコーンは、どたばたしながら始まった。

スコーンやの名前。東京スコーン。

「ニッポンで、東京で食うスコーンは、これだ!!!」
言い切ってしまえ。
わかりやすいし。
覚えやすいし。

本家のイギリス?知るか、そんなもの。
東京スコーンは、ウチが本家だ。東京のスコーンなんだから。

紅茶のおまけ?冗談じゃない。
紅茶の味は、ウチにあわせろ。

パンのついで?バカにするな。
こんなとんでもなく難しいレシピが[ついで]なわけないだろ。

東京スコーンは、そんなかんじ。
そんなスコーンを作っていく。

わからん?じゃ、食べに来てください。

しかし、お店で出すスコーンは、最終形ではありません。
まだまだ不満足。粉1グラム、温度1度ずつ変えて、おいしいスコーンの研究はやめません。
だから、もしかしたら、今週のスコーンと、来月のスコーンは変わってるかもしれません。

粉や味付け、人の好み。時代の変化とともに、スコーンも味も変わっていくと思います。いつも同じ味なんて、ロボットの世界のこと。素材のよさを引き出して、みんなの好みを反映させていくならば、味は常に普遍で、進化が前提のはず。一期一会のスコーン、それが、東京スコーンです。