店舗持ちをやめたスコーン専門店・東京スコーン店長の日々雑記
10日のズレを感じる人と、そうでない人と

東京スコーンは、すべての人のために存在するブランドではないのだ、という認識。1095日ほどお店をやってみて至った結論から、これからのお店をどうしようかと思った結果、今後はゆっくりのんびりとやっていこうと、借りていた融資のあり方を変更しようと、ただ今準備中。といっても経営的にギリギリなので、どうしたものかと。

要は、月々の負担額を減らすための融資を組む、ということで、平たく言えば住宅ローンの借り換えみたいな内容のものです(一本化、というそうです)。で、それをどの融資で実行するのか、というので、信用金庫の新しい担当の人からアドバイスを受けながら、墨田区の制度融資に申し込みをしたのですが、墨田区の担当者が勘違いをしていて、「その制度に申し込みはできません」と回答が。
じゃ、今の融資と併用して新規に申し込んで、頃合を見計らって一本化したら、みたいな案になって再度登録しても却下。「一本化を前提にしてる場合、おりませんよ」とにべもない返事がかえってきました。

返済プランとしては、月々の負担を単純に減らすものなので、経営としては堅実な内容、のはずなのですが、これをみた墨田区は「ルールが違うから」というところから「却下」。じゃあ、ほかにこういったエントリーができる融資制度はないのですか、と聞いてみても、一本化を前提とした融資制度は、そもそも墨田区では用意していない、ということでした。

「一本化を前提にしてる場合、おりませんよ」と言われたときにほかの融資制度も同じつくりだ、といえばいいのに、数日経ってあらためて別にお願いしようとしたらそういった回答。なんとも親切なものです。

いや、親切じゃないよな。
こういう態度とか、そろってる内容とかってさ、
基本的に「支援」じゃないよなって感じますがどうなんでしょう。

創業支援というのはそもそも、「安定的に経営を続けるため」という形で設定されている融資のはずで、それはパンフレットにも明記されている前提でした。ところが、制度を調べていくと、拡大を前提にした融資制度であるような気がしてきます。

どんどん新しく借りてください、みたいな感じなのです。だから、融資を何本も抱えていく感じで、それは毎月の返済額が増えていくような構造。自分のように、経営スタンスによって融資返済額をリストラして、「安定的に経営を継続するため」というデザインの発想はそもそもないようです。

できないならできないで回答を早くすることは、こちらにとってどれだけありがたいことか。
さらにうれしいことは、自分の希望する融資に合致するプランを別に提案してもらえたら、ということでしたが、自分の担当範囲外についてはまったく話もしてくれませんでした。

これって支援というのですかね?

このゴタゴタで、実は10日ほどロスしました。
今後の見通しが立たないのにいろいろ考えることはできません。
作る必要のないものを作ったり、必要のないものを買ってきてロスを作ると、ダメージは倍になるからです。

月における10日の空白は、相当な経営ダメージです。
「10日なんてー」と言う人もいるでしょうが、カレンダーにしてみると、あっさりわかります。

融資の申し込みが、6/5でした。順調なら12日には結果が出ていました。
見通しが立つので、
12日にイベント、配達、地方発送のプランを立てたとするとどうなるか。

12(木)●募集開始(配達、地方発送、イベント)
13(金)
14(土)
15(日)
16(月)
17(火)●地方発送入金締切
18(水)
19(木)●配達
20(金)●地方発送開始(3、4日必要)
21(土)
22(日)●イベント実施
23(月)●配達
24(火)●配達

各種の募集には、だいたい7日〜10日かけないと目処が立ちません。とくに会社で働く人を対象にすると、なるべく平日に募集をしておかないと、土日は動きが止まってしまいます。なので、2週間といっても土日を外すと9日くらいしかチャンスがなくなります。

募集に応じてスコーンの需要予測を立て、それに応じて作っていきます。事務が煩雑になるので、それとかぶらないように制作する日をなるべく集中させると、「焼ける日」というのは実は17,18日あたりしかなくなるんですよね。その間にさらに押上店舗を開けるわけです。人が来る状況で制作は難しいですし、買い出しに行く時間も削られます。

で、今のところですが、融資の結果はまだわかっていません。その後、収支計画をだせとか、担当者と面談とか、結局創業支援融資を申し込みした3年前と同じ手続きを踏むことになってしまったので。やはり堅実にやってるはずの経営は、拡大を前提に設計されている制度から見ると後ろ向きにしか見えないようです。

支援とはなんですか?

そして、そんなこんなで東京スコーンの10日間は無駄になりました。決まらないけれど、進まないと来月の支払いができませんしね。っていうか、10日間のロスで今月の成果は前代未聞のペースです。

ひとり経営、バンザイ。
墨田区バンザイ。

さ、開店、開店ー。
本オープン強行
 しました。

今日は、体力をセーブせずに大解放。死ぬまでやろう、と決めていました。
両腕ボロボロ、指は動かない。ひざは痛い、あばらは折れてる。
知ったことか。

今日は、絶対にはずさない。
作って、完成して、「できたー」で倒れてケッコー。

といっても、工事がちゃがちゃです。

勝手に考えた、本オープンの定義。
1.お客さんが入っても違和感感じない(=バレない)客室ができてる
2.スコーンを、売る
このふたつさえあれば、よいのです。
売れなくても、商品並べればよいのです。

廊下に資材寄せて、「トイレ修理中」にしてしまえばよい。
ごみはとりあえず、裏にもっていけばよい。
壁はとりあえず、貼ってあればよい。
っていっても、お客さんの目に耐えられるレベルです。

お客さん、いなくていい。
自分のための、オープンでいい。

4か月ちょっと。
やりたくない工事にしばられて、自分の表現であるスコーンがまともに作れなかったストレスから、やっと解放されるメドが立つこの瞬間を、7月20日という大事な日に迎えたい。
ただ、それだけでした。

これでキルフェボンのケーキと、東京スコーンの全デザインを担当した015がいれば、最高なのに。

ひとつくらい、がんばったぞ。
やっと独り立ちのスタート地点に立ったぞ。

今日もヘルプに助けられました。ブロガーにゃんぴーさん、ありがとう。

小規模から、たぶん中規模へ
新しいオーブンのテストが順調に進み、東京スコーンのラインナップもほとんどの種類が再現可能となってきました。新オーブンの方がうまく焼けるものもありますが、微調整はもう少し続けていきたいです。


天板の大きさの差。下は今までのオーブン。上が新オーブンのです。
焼ける数は4倍くらいに。専用キッチンになったので、作業スペースもうまく使えば4倍。
劇的変化、ですよ。

「焼く」という点では、一度にたくさん焼けるようになりました。しかし下準備は焼く数が増えた分だけ時間と手間がかかるようになってしまった、という困った状況にもなっています。

材料の減りも早い!
週1の頃の感覚で仕入れていたら、足らなくなって同じ店に何度も行くことになったり。あっちの仕入とこっちの仕入で、タイムマネジメントが混乱したり。

プレオープン期間中に、これらをなんとかしないといけません。

いろいろな課題をクリアしたとしても、お店としては中規模レベルだと思います。
一日中、オーブンをまわすとなると、持ち帰り販売とカフェの部分は、誰か別の人がマネジメントしなければいけなくなると思います。仕込みの途中で対応できるスコーンと、そうでないスコーンもありますし。

ですので、今は朝早起きして午前中に焼き上げたものを、その日のうちに売る、というサイクルを作ろうかなって思います。お店をオープンしながらスコーンを焼こうと、初めは思っていたんですが、仕込みが長くなる現実を見ると、、ちょっと無理そうですね。

やってみないと見えてこないことが、たくさんあります。
入口すのこ
入口が施工してなかったので、一時しのぎにすのこを作りました。現場にいない現場監督兼陶芸家・あやちゃんの作品に、僕がテキトーに塗装しました。

いちおう、ナチュラル仕上げ、ってことにしてるんですが、

なんだかちがうような。。ま、いいか。次の作業にとりかかります。

天真庵からやってきたガラス
古いガラスを窓にしよう、と探していたら、天真庵のマスターが「あるよ」と。
もってけ、もってけ、と言われていただいてきたのがこのガラス。

トイレのフィックス窓に使いました。
日の当たる時間は、ぼうっと光る感じ。
夜は外から見ると、望遠鏡でどこかの星雲をのぞいたか、のような光を放っています。
突貫工事で内装はいろいろとがちゃがちゃしていますが、この窓は例外。
ちゃんと作りました。で、結局アダチくんに枠作ってもらいましたが。

ひそかに、結構気に入ってたりします。

ちょっとしたアトリエ状態

3分の1部分が工事中の東京スコーン新店舗。こうやって写真に撮ってみると、なかなかアトリエ感出てますね。実際はおがくずと端材だらけの小屋ですが。
プレオープンという意味
店で工事をしていると、「プレオープン」の張り紙を見た通りがかりの人が、「プレオープンってどういうこと?」と聞いてくるのが何度もありましたので、簡単に説明を。

プレ(前の)オープン(開店)って訳で、
開店前の開店?と書くといいのか?
要は、試運転期間という意味での開店です、ってことです。

お店は実際に動かしてみないとわからないことがたくさんあります。
たとえば、紅茶の注文をいただいて、茶葉を出してお湯を注いで、器を出して、っていうプロセス。キッチンの中のどこを作業場にするか、っていうのが想定してたのと実際と変わってくることが結構あるのです。

お店に来るお客さんも、どんな人が多いかわかりません。

お客さんの要望や、スコーンの感想なども聞きながら、どういったメニュー構成を定番にするのがいいのか、というような検討も、試運転営業をしないと実際には妄想の世界でしかないです。

僕の場合はさらに、物理的な問題である、「工事がおわってない」ということもあります。
客席が全部で来ていないので、工事と営業を半々やるって状態です。本来、お店の個性がでる客席部分がまだ公開されていないのです。ですので、今のイメージをもって東京スコーンのお店、と思われてしまっても困りますし。
少しずつ、今の設備もブランドのイメージにあうようにアレンジしていくつもりです。

そういう意味では、
東京スコーンのプレオープン、
長いかもしれません。

そして6月5日、東京スコーンはプレオープンします。
11-17:00予定です。
売切れ御免。
メニューのラインナップは当日朝、ツイッターでつぶやきます。
席数が少なく、店舗スペースせまいので、ご配慮おねがいします。


やっつけワーク

遠くから見るとオシャレに見える棚ですが、中の板の寸法あってないし(蹴り上げて強引にはめこんだとか)、「とりあえず、そこにあればいい」なワークが連続してます。

まあ、それが素の状態でもありますけれど、悪い方向に出ないようにやっつけます。

そろそろオープン

週1のお店で出していた看板。5月は休養するから出番がありませんでしたが、店舗工事をしている間に表に出しておこう、と、工事現場にもってきて、毎日外に出してました。

はじめは、「5月半ばオープン」と掲示していましたが、工事の進捗が悪く、その掲示内容も「そろそろ」とあいまいなものに。「次はどう書くの?」とオープンを楽しみにしてくれてる人から言われてどうしようか、と思っていましたが。っていうか、そういうことじゃなくて。

いつオープンするん?が問題なんですよ。

6月5日(日)

オープンの日、としました。

毎日、1,2件。
「何の店?」
「いつオープンするの?」
と、この看板を掲げてから1か月の間、道行く人から問い合わせを直にいただいてきました。
毎日ですよ。これってすごいことですよね?すごくない?いいや、すごいことだ、と思ってしまえ(笑。

そろそろ、それにこたえられる内容になってきました。

オープン、といっても、全体の3分の2です。
要は、客席部分がまだできていません。
キッチン、トイレ、厨房、事務所が完成して、保健所の営業許可を得られるだけの規模です。
いちおう、ショーケース(といっても単なる台にしか見えないですが)の近くに3席設けようかと思いますが、冷蔵庫の音がうるさい(涙

客席部分こそが、お店の個性なんですけど、そこはまだ謎のベールにってことで。

とりあえず、ですが、開業します。

塗り隊、削り隊(2011/6/1)
今日は、バイト時代の生徒さんたちがどっとやってきてくれました。同じ講師をしていて元現場監督のヨッシーノも来てくれました。作業の前に、みんなで腹ごしらえ。

ペンキ塗りと、塗装仕上げ(バリ取り)をやってもらいました。これは入口のトタンをみんなで塗ってもらってる様子。

さすがに、これだけいると、作業内容がゲキ進みます。
工事は人数。はっきりわかりましたわ。